萩の大地の成り立ち
萩の大地は3つのマグマの活動が約1億年の時間をかけてつくりました。
1つ目のマグマは、大地の大半を埋め尽くす超巨大な噴火を起こしました。
2つ目のマグマは、日本海に島や海底火山をつくりました。
3つ目のマグマは、1ヶ所で1回だけ噴火して小さな火山をたくさんつくりました。
3つのマグマの活動が多様な形の大地をつくり、萩特有の風土の土台となりました。
①大陸のマグマの活動
~大地を覆いつくした超巨大火山~
約9000万年前~3000万年前、日本海はなく、日本はまだ大陸の一部でした。地球全体でマグマの活動が活発だったこの時代、地下に巨大なマグマだまりができ、各地で大規模な噴火が起こりました。この噴火で地下から大量のマグマが溶岩や火砕流として噴き出し、地上を覆いつくしました。噴出物の厚さは数千メートルに及びます。地下からマグマが減ることで岩盤がマグマだまりに落ち込み、大きな陥没地形(カルデラ)が形成されました。
この時代のカルデラは萩ジオパーク内で確認されているだけでも5ヶ所(生雲カルデラ、佐々並カルデラ、匹見グラーベン、飯浦カルデラ、田万川カルデラ)あり、現在の地球では考えられないほどの巨大火山の密集地域であったことがわかります。
②日本海のマグマの活動
~大陸の裂け目の海底火山~
約2500万年前~1500万年前にかけて大陸の端が裂けて広がり、海水が流れ込んで日本海が誕生しました。この時にできた裂け目がマグマの通り道となりました。マグマは熱で周囲の地層を変化(熱変成)させながら海底に噴き出して海底火山となりました。日本海は今の姿からは想像できないほどに激しく活動する海だったのです。
高山はこの時のマグマだまりが上昇して山となったものです。
海底の地層とそれを貫いたマグマ、海底火山をまとめて見られる「須佐ホルンフェルス」
須佐湾周辺の海岸では、地層を貫いたマグマの通り道(火道)の断面がいたるところで見られます。
見島は日本海の形成後の噴火でできた火山で、海面下には広大な溶岩台地が広がっています。
これらの小型火山は、各所で川をせき止めて湖や沼地を形成しました。
徳佐盆地は青野火山群が川をせき止めて形成された湖(古徳佐湖)の水が南西部から流出して干上がってできた広大な盆地です。また、その際に流れ出した水が日本海にそそぐ河口部に、大量の土砂が堆積することで形成されたのが、萩市の中心地である萩三角州です。