萩城下町(はぎじょうかまち)
江戸時代に栄えた城下町は、三角州の泥と海岸砂丘の砂の上に築かれています。
土地の特徴と向き合った人々の知恵を探してみよう。
土地の特徴と向き合った人々の知恵を探してみよう。
笠山(かさやま)
萩で最も新しい火山。港町や石材の産地として萩城下町と深い関わりのある場所です。
火山と人のつながりを肌で感じることができます。
笠山(標高112m)は、“市女笠”に形が似ていることからその名前が付きました。今から11,000年前に始まった噴火で形成された火山で、始めに粘り気の小さな溶岩が流れ広がって平らな台地ができ、最後にはマグマのしぶきが上がりながらプリンのような形のスコリア丘ができました。
スコリアとは、マグマに含まれるガスが泡立つことでできた、たくさんの穴ぼこがあいた岩石で、赤い色をしているのは鉄分が高温時に空気中で酸化したためです。
山頂の火口は歩いて内部に入ることができます。スコリアに触れてみましょう。
沿岸部で見ることができる黒い溶岩(安山岩)は、江戸時代に城下町建設の石材として切り出され、今もなお萩の歴史的な景観を支えています。今でも海岸の岩場をよく観察すると、クサビを打ち込むために開けられた穴(矢穴)が切り取り線の様に並んでいるのを見ることができます。
また、溶岩は海中にも続き、海藻が茂る藻場が形成されています。ウニやサザエ、ワカメなどをとる素潜り漁が盛んで、季節ごとに天然の海の幸を味わうことができます。
笠山の麓にある「厳島(いつくしま)神社」の「明神池(みょうじんいけ)」は海水の池です。地元の漁師が漁の安全と豊漁を祈願して方法したタイやフグ、ボラなどの海の魚が泳ぐ珍しい景色を見ることができます。
ブロック状に崩れた溶岩が積み重なった場所では、冬場に岩のすき間にたまった冷気が夏場に流れ出し、「風穴(かざあな)」と呼ばれています。風穴周辺は真夏でも気温が15℃前後しかなく、かつては天然のクーラー・冷蔵庫として利用されていました。
風穴では、笠山周辺の本来の温暖な気候で育つ植物と、寒い地域でしか育たない植物が混在する特異な植生が見られる場所もあります。
笠山の北側海岸の虎ヶ崎(とらがさき)周辺には、ヤブツバキの木が密集する「笠山椿群生林」があります。温暖な沿岸地域の溶岩台地上に自生していた椿の木を、地元の人々が薪や材木として利用するために伐採と再生をくり返す中で、根元から何本にも枝分かれした木々となり、また椿だけを選択的に残すことで特徴的な群生林ができました。
萩六島(はぎろくとう)
萩沖の平らな島々は、それぞれの場所で溶岩が噴き出してできた笠山の兄弟の火山。
大島(おおしま)と相島(あいしま)は定期船が運行しています。
大島(おおしま)と相島(あいしま)は定期船が運行しています。
菊ヶ浜・指月山(きくがはま・しづきやま)
ふもとに萩城が築かれた指月山は、1億年前に地下にあったマグマ(花崗岩)の削れ残り。
花崗岩の風化でできた砂浜が美しい菊ヶ浜の景観を生みました。
花崗岩の風化でできた砂浜が美しい菊ヶ浜の景観を生みました。
体験しよう!
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