消えた湖とリンゴの産地
徳佐は山間部に位置し、冬には山口県内で最も気温が低くなる地域の1つです。それだけの山奥に、ひときわ広大な水田地帯が広がっています。山口県内では珍しいこの広い盆地は、かつて湖の底だったと考えられています。北東方向に流れていた川の途中で、粘り気の強いマグマがふき出して、「青野山」や「野坂山」などのお椀を返したような形の火山がいくつもできました。これにより川はせき止められ、大きな湖ができたのです。周囲の山から流れ込んだ土砂が湖底に分厚くたまりました。やがて、湖の水は南西部から流れ出して干上がり、広い盆地となりまし
た。
広大な平地と昼夜の寒暖差が大きい気候を活かして米づくりが盛んに行われているほか、冷涼な気候を好むリンゴの栽培も盛んで、西日本有数の一大産地となっています。また、黒毛和種の“ あとう和牛” も育てられており、稲わらをエサとして与える場合もあります。
古徳佐湖(ことくさこ)
野坂山をはじめとする数十万年前からの「青野火山群」の噴火によって川がせき止められて「古徳佐湖」と呼ばれる大きな湖ができました。
湖はやがて現在の長門峡を通って北東へ流れ出し、干上がった湖は徳佐盆地となりました。
湖はやがて現在の長門峡を通って北東へ流れ出し、干上がった湖は徳佐盆地となりました。

青野火山群と萩三角州
徳佐盆地(とくさぼんち)

広い盆地は、かつて湖の底だった場所。今では水田が広がっています。
野坂山(のさかやま)

徳佐盆地の北端にある野坂山は、溶岩が噴き出してできた山(溶岩ドーム)。川をせき止めて湖をつくりました。
体験しよう!
徳佐りんご狩り

徳佐は西日本最大のりんご産地。幻の湖で育ったりんごを食べよう!
SLやまぐち号

太古の湖をSLで駆け抜けよう!