【レポート】
直木賞作家・伊与原新さんがやってきた!
(2025年5月10-11日)

5月10日、11日の二日間に渡り、1月に短編集「藍を継ぐ海」※で直木賞を受賞された伊与原新さんをお招きしての受賞記念イベントを開催しました。
※萩・見島を舞台にした短編「夢化けの島」を含む。
初日の10日は、萩市民館で「伊与原新さん講演会&サイン会」が行われ、会場には山口県内外から約500人の方々にお越しいただきました。伊与原さんは「私の『夢化けの島』」と題して、萩・見島を舞台に選んだ経緯を含めた作品の背景や、取材のために見島を訪れた時のことなどをたっぷり語ってくださいました。元地球科学の研究者であり、小説家の伊与原さんから見た萩や見島についてのお話は、地元の方々にとっても魅力を再発見する機会になったのではないでしょうか。
同時開催の展示・体験イベント「本と地球と萩焼と」では、萩焼作品展示、工作や実験等のワークショップ、そして関連書籍やオリジナルグッズの販売など、バラエティ豊かな13ものブースが並びました。地元の皆さんと力を合わせて一から作り上げたイベントです。サイン会終了後に会場をまわられた伊与原さんは「とても温かく迎えていただいているのが感じられて嬉しかった」と感激されていました。




そして翌11日は、いよいよ見島へ。伊与原さんと一緒に作品ゆかりの場所をめぐる「伊与原新さんと行く『夢化けの島』見島ツアー」が行われました。見島の現地の風景の中で、物語の世界がリアルに重なり、参加者の皆さんからは「一生の思い出になった」との声も。伊与原さんは、作品の舞台を再び訪れることも、読者の方とこうして過ごすことも初めての経験だったそうで、とても喜んでくださっていました。



今回のイベントは1月の直木賞発表後に急遽立ち上がった企画で、時間も予算もない中、ここには載せきれないほど多くの方々のご協力で実現しました。これまでの活動の中で培ってきた人と人のつながりを再確認しましたし、新たに関わってくださった方も多く、活動の輪が大きく広がったことも感じています。ご協力いただいた皆さま、そして何より、このような機会をくださった伊与原新さんに、心より感謝申し上げます。萩ジオパークでは、これからも、大地と人、人と人のつながりを育てる取り組みを続けていきます。また次の出会いを、どうぞお楽しみに。